事業計画書は夢の可視化と計画漏れチェックの必須品。
自分で事業を始めようとする人の中で行き当たりばったりで始める人も稀でしょう。
自分自身の人生そのものがかかっているといっても過言ではない一大決心をするうえで事業計画書をしっかりと作成して言うことは独立開業失敗を防ぐために非常に有効な手段ですし、融資などを受ける際にも必須なものとなります。
そんな事業計画書ですが、残念ながら作って入る物のしっかりとしたないようになっているちゃんとした事業計画書をつくれている方は非常にまれであるといわざるを得ません。
銀行の融資審査に出すのでなければ、かしこまった書式で作る必要もありませんし100円の大学ノートに書き綴ったものでも構わないのですが問題はその中にどのような内容を書いていくのかです。
このページでは、そんな一国一城の主となるべく綿密に作られた事業計画書をどのようなポイントを押さえて作っていけばよいのか基本的な事項を抑えながら解説していきたいと思います。
ご自身の事業計画書に抜けている箇所などはないか今一度確認してみてください。
1.その事業を行う目的はいったい何ですか?【事業目的】
- 大金持ちになりたい!
- 一杯お金を稼ぐため!
このような動機も立派な事業を行うための目的といえると思います。
しかし、事業計画書に書くとしたらもうちょっと具体的な目的を記載したいところです。
また、TOPページにも書きましたが「自最初は分自身が〇〇になるために」という動機で事業を始めたとしても最初はよいかもしれませんが事業を続けていくにつれてモチベーションを維持することが難しくなり結果的に失敗につながりやすくなってしまいます。
次につながる事業内容の中でより具体的な事業の内容について考え描いていくこととなりますので、最初の事業目的の部分ではより大きな視点で指標になるような書き方が良いと思います。
たとえるならば
- 料理人として修業してきた経歴を生かして味が判る食通の方々に対してハイレベルな料理を提供し続ける居酒屋であること。
- 回転率が高く格安な美容サービスを提供するパイオニアとなる。
といった具合です。
具体的過ぎることはなくその会社がどのようなことをなしていこうとしているのかを記載していきましょう。
2.具体的にどのようなことをするの?【事業内容】
事業内容とは
- どんな業態で
- どんなサービス(付加価値)を
- どんな人たちに
- どんな値段で提供するのか
が定まっていないと、計画自体がブレブレのお粗末なものとなってしまいます。
具体的に、どのようなことをするのかという部分ですのでより具体的な内容を記すようにしましょう。
例えば【居酒屋】とか【美容室】等といった単純な内容ではなく【〇〇産の魚介を使った創作和食系居酒屋】や【格安路線に特化した美容院】といった具合により具体的に何をするのか記していきましょう。
この部分で自分自身がどのような事業をしたいのか’夢’をふんだんに書き記すことが出来るのでワクワクしながら楽しく書いていければ一番いいと思いますし、新しい気付きなども得られるかもしれません。
くだらないことでもどんな小さなことでもどんどん書き記していきましょう。
POINT1と通ずる部分になりますが、より具体的にどのようなサービスお客様に提供していくのかを考え記載していく部分です。
【〇〇産の魚介を使った創作和食系居酒屋】であったとすれば、具体的なメニュー構成や提供形態(完全予約制なのか格安高回転路線なのか等)でしょうし【格安路線に特化した美容院】であれば、格安を実現するためにどのようなサービス提供スタイルを構築していくのかなどを考えるところになろうかと思います。
この【どんなサービス(付加価値)を】の部分がありきたりで深く考え抜かれていないものになってしまうと開業当初はうまくいってもすぐに廃れてしまうという事にもなりかねませんのでしっかりと構築していきたいところです。
POINT1、POINT2でより具体的に考え抜いたサービスを具体的にどのような人に対して提供していくのかを定めます。
ここの部分がしっかりしてくると、実際に出店などをする際の場所決めなどの際非常に役に立ちます。
コチラの部分も【30〜40代の女性】といった具合にザックリと定めるのではなく【30〜40代の女性で独身・金銭的余裕がある】等より具体的に定めていくといいと思います。
ご自身の計画している事業で提供するサービスをどのような人たちが必要としてくれそうかマーケティングがしっかりできていればすんなり決まるはずです。
逆に、すんなりとターゲット層が決まらない場合はマーケティングがちゃんとできていない証拠でもありますので再度しっかりマーケティングを行うようにしましょう。
価格帯の決定です。
POINT3で定めたターゲット層が定まっていればその人たちが払える金額の枠内で値段設定を行っていくことになろうかと思います。
類似のサービスを提供している業者さんの価格帯などを参考にして適正な価格設定になるようにしましょう。
3.お客さんはどれくらいいてどんな人たち?【市場環境】
次に市場環境についてです。
店舗を構える場合であれば、具体的な開店予定地域の調査という事になり事務的な作業になる部分になってきます。
具体的に調査していく事柄は以下のような部分です。
開店予定地域の状況、「オフィス街なのか?」「住宅街なのか?」「学生街?」「下町?」「高級住宅街?」等の部分を主に調査していくこととなります。
周辺地域の交通量や、通行人の年齢層や性別・時間帯別の通行量などなど頭の中のイメージと実際が合致しているのかどうかを地道に調べていく部分です。
案外しっかりここの部分をやっていない方が多いのですが、如何に役所などの信頼できる統計情報などを調べ上げたとしても現実の現場では何が起こっているのかは現場に行かなければわからないものです。
地味でしんどい部分ですがここでしっかりと地道な努力をしたことでその後の数十年間の売り上げににも響いてきますのでここのマーケティングは手を抜かずにしっかりとやりたいところです。
ご自身が、回転しようとしている地域にある競合店となるお店の調査です。
実際にそのお店のサービスを受けてみるのが落ち版手っ取り早方法になりますが、あまりに数が多い場合はそうもいかないでしょうから各口コミサイトなどの情報を基にマーケティングを行うのもよい方法だと思います。
また、時間帯(早朝・昼・夜・深夜)によって町の様相がガラッと変わることも有りますので各時間帯別にしっかりと調べていきたいところです。
この部分についてもきっちりと調べ切らずに開店する方がいるのですが、1年や2年だけで閉店する気持ちで開店するのではないのであれば将来的にその地域がどのような街に変わっていくのかをでいる限り調べていきましょう。
都市計画や大型商業施設の建築計画など調べられるだけの情報を仕入れましょう。
ここをしっかりとやっておけば、現状家賃が凄く安い物件でも将来的に理想的な格安テナント見つけることもできる可能性を広げることが出来るでしょう。
4.原価率は?どこにどれくらいのお金をかけるの?【経営計画】
ここからはお金の話になってきますが、実際に自分のお店を切り盛りしたことがない人がここを正確にきっちりと計算して出すことは難しい場面もあると思います。
しかし、【市場環境】の部分でしっかりと正確な数字を調査できていればかなり客観的な数字を出すことが出来ると思います。
では具体的にどのような数字をはじいていけばよいのかを見ていきましょう。
お店の内装や設備にどの程度のお金をかけていくのかを出していきます。
内装屋さんなどから情報を仕入れつつ、自分が理想とするようなお店をつくるのにどの程度のお金がかかるのか計算して合計を出します。
アルバイトや従業員をどの程度雇うのかの部分です。
1名で始める場合は0円です。
次に販売計画について。
販売計画=日々の売上金額になりますので、どうしても見込みが甘い計算になりがちですし融資を受けようとしている際に銀行などから一番突っ込まれる部分でもあります。
この売上金額の見積もりが甘すぎるとせっかく作った自分のお店を早々に潰すことにもなってきてしまいますので【市場環境】の部分で得られた客観的な数字を基に感情的な部分を一切排除し厳しすぎるくらいの数字を出していきましょう。
理想や希望を入れるのは厳禁です。
上の販売計画で出てきた数字を基にどの程度の仕入れを行わなければならないのかを計算し金額を出します。
この時に原価率もおのずとはじき出されますので、その原価率でよいのか再度考え直し計画を調整していきましょう。
事業計画書の核となる部分は上記で説明している【市場環境】と【経営計画】にあるといっても過言ではありません。
場合によっては【市場環境】と【経営計画】の部分だけでコピー用紙数十枚の膨大なレポートになる事もあり得ます。
また、実際の調査の結果予定していた場所や計画内容では全然ダメだったという事が見えてくる場合も有ります。
調査ばかりで全然前に進めないというのも問題ですが、何も考えず失敗に突っ走るというのは愚の骨頂です。
納得がいくまで何度でも見直し書き直し調査し続けて書き足していきましょう。
5.資本(お金)はどこから用意するの?【資金計画】
さてここまでくるとかなり具体的に数字も出てきたでしょう。
では実際に開店にかかるお金をどのようにして調達するのか?どのように割り振るのかを考えます。
設備投資
お店の内装や備品類を買うためのお金です。
見積もりなどを取り具体的な金額を出しておきます。
運転資金
初期の仕入れ費用・宣伝広告費・売上金が入るまでの自分自身の生活費などの合計額を出しておきます。
自己資金
自分のお店を持つのが夢だったという方などの場合は少なからず資金をためてきたことでしょうから自分自身の貯金額がこの自己資金となります。
借入額
親などが援助してくれる場合や銀行などの借入金額がこの金額に当たります。
金融公庫など政府系の銀行や自治体の金融支援策でないと実績のない新規開業組にお金を貸してくれる金融機関はほぼ無いと思います。
現実的にはほとんどの部分を自己資金で賄うほかないというのが現実ですが借りれる当てがあるのであれば利用しない手はありません。
ただ、あまりにも借入金に頼りすぎてしまうと金利の支払い額が増加し経営を圧迫することにもつながりますので出来る限りの部分を自己資金で賄う努力が必要となります。
6.具体的にどれくらい儲けが出るようにするの?【利益計画】
最後に、具体的に年単位でどの程度の利益が出るのかを予想し仮の貸借対照表を作成し事業計画書は完成となります。
1年目から3年目までの予想を記載すれば十分でしょう。
この時、なぜ利益が毎年上がるのかを具体的な例を示し記載しておきます。
(広告費を上げるとか仕入れ原価を下げるとかets)
あくまで予想の域を脱することが出来ない部分ですのであまりにも飛躍した貸借対照表にならないように注意しましょう。
7.完成した事業計画書を他人に見てもらおう!
さて、これで事業計画書は完成しました。
ですがそれで満足することなく、その計画書を家族や友人などに見てもらい屈託のない素直な意見をもらいようにしてみてください。
大抵の場合、ボロクソに言われるのが落ちです。
- 「なんだと!こいつは何もわかってない!」
- 「これだから素人は!」
- 「馬鹿にすんな!」
おそらくこのような感情がわいてくるでしょう。
ですが、そのような素人の意見こそ重要で自分では気が付くこともなかった重要な落ち度などに気が付かせてくれる大きな可能性を持ったチャンスなのです。
ここは冷静になって今一度そのアドバイスに耳を傾けご自身の事業計画書を見直してみましょう。
そのような経験を繰り返しブラッシュアップを繰り返していくことでより良い事業計画書になって言うと思います。
最低でも自分の夢を応援してくれる一番近い家族が太鼓判を押してくれるくらいまではブラッシュアップを続けるのが吉です。